ベトナムの近年の経済成長率は6%前後と高い成長率を維持しており、ASEAN諸国の中でも2000億ドル以上のGDPがある国の中では、フィリピンに次いで高い成長率です。(日本の成長率は1.2%)

特に、IT産業が飛躍的に成長してきており、2010年度年間76億ドルほどだったIT産業全体の売上高が、2015年には495億ドルに急伸しており、その成長度合いが伺えます。

そんなベトナム経済と各産業分野の特徴をまとめ、さらに多様化する国内外の各産業に対するニーズを考察してみました。

 


ベトナム経済の特徴


ベトナムは1980年台より約35年もの間、高い経済成長率を維持し続けています。(6〜8%)これは1986年に共産党が提起したドイモイ政策(刷新政策)によってもたらされたものです。

ドイモイ政策とは市場主義経済への転換と、国際協力への参画(貿易協定やFTA、近年ではTPPなど)、経済政策面での社会主義からの転換など、主にベトナムの経済政策の理念に関して新しいものに置き換えるという政策です。

これにより社会主義国家であるベトナムの経済面で価格が自由化し競争が生まれ、市場を外国資本にも徐々に開放したことにより、急速な経済成長を実現しました。


ベトナムの各産業分野の特徴


①農業

ドイモイ政策の恩恵はベトナム全人口の70%以上を占める農民にも及び、農地を拡大し大量に農産物を生産・販売する事で収益を得られるようになったのです。(社会主義経済では農産物の価格が固定化され農業従事者の暮らしは困窮していた)

それにともない、ベトナムではコーヒーやゴム、コショウなどの工芸作物もさかんに生産されるようになり、コーヒーにいたっては世界第2位の輸出国となりました。

ベトナムの主食である米の輸出も世界第2位と農業分野でも目覚ましい発展を遂げています。

近年においては、食の安全に対する関心の高まりもあって、日本の農業手法や品質管理によるいわばベトナム産メイドインジャパンの農作物などの生産も注目されています。(ベトナムにおける食の安全に対する関心についてはこちらのベトナムでは食の安全に対する関心が高まっているの記事を参考に)

②水産業

ベトナムは南シナ海に面した国で、豊富な漁業資源を有していましたが、ベトナムの漁業従事者のほとんどは沿岸漁業(近海の比較的水深の浅い箇所での漁業)を行っており近年では沿岸海域の資源の減少が懸念されていました。

そこでベトナム政府は90年代後半に沿岸漁業から沖合漁業にシフトさせる政策をとりましたが、必ずしも沖合漁業へのシフトは順調に進んでいないのが現状です。

これにはいくつかの問題点がからんでおり、まず南部海域では沖合部も水深が浅く、付加価値の高い魚種がそれほど獲れないという事と、沖合漁業には船舶設備の拡張が必要で、その部分のコスト負担が重くのしかかっているのです。

しかし、近年中国やベトナム国内・アジアでの寿司需要の高まりにあいまって、マグロの需要が飛躍的に伸びており、ベトナム北中部の漁業の一部で沖合でのマグロ種の漁獲高が伸びてきています。

ベトナム水産業のもう一つの特徴としてエビの養殖業の発展があります。2000年頃から急速にエビの輸出量が増えており、日本のエビ輸入量第1位はベトナムからの輸入となっています。

近年はアジア諸国からのベトナム養殖エビの買い付けが急速に伸びていて、日本企業の買い負け状態が現出化し、今後ベトナム養殖エビの買い付け価格も上がっていく事が予想されます。

③製造業

ベトナムには近年、ホーチミン及びハノイ近郊に多くの外国資本の製造業が進出し、ベトナムの賃金の安さやベトナム人の勤勉さ・生産性の高さを大いに活用しています。

これからベトナムワーカーの賃金の上昇も予想されるので、以前ほどのうまみも少なくなってくるかもしれませんが、それでも製造メーカーにとって、ベトナムは魅力的な投資先で有り続けるでしょう。

特に、近年のベトナム人技能実習生の増加に伴い、実習期間を終え帰国した実習生達の再就職先として日系企業が魅力的であり、日系企業側も日本での実習経験があり、ある程度の日本語を話せる実習経験者は雇用のメリットも十分ですので、そういった意味での相互効果も期待できます。

また、各国のマザー部品工場がベトナムに集積する事によって、ベトナム国内に世界的な技術の集積地が存在する事となり、ベトナムワーカーの技術力が向上すれば、ベトナム製造業全体の底上げとなるでしょう。

④サービス業

近年のベトナムへの外資の進出で、高所得の駐在員の増加や経済発展によるベトナム富裕層の増加により、高付加価値のサービス業(ホテル業界・エステ・スパ・マッサージ等)全体の売上高も増加してきています。

これからますます、富裕層をターゲットにしたビジネスが展開されていく事でしょうし、富裕層の増加が消費を刺激する側面もあると考えます。

しかしその一方で、ベトナムでも貧富の格差が広がっており、格差の固定化が起きつつあります。(こちらの厳しい環境のベトナム低所得層の記事を参考に)

ベトナムの社会的特徴である賄賂やコネが、この格差の固定化の要因の一つとなっていますが、これらを早期に払拭する事は不可能ですので、貧富の格差はこれからベトナムの社会問題となってくるでしょう。

⑤観光業

ベトナムには豊富な観光資源があり、国の主要産業の一つにこの観光業があげられます。こちらのベトナム北部・中部旅行 おすすめスポット4選とベストシーズンの記事でも述べたように、

ベトナムは観光立国でありASEAN諸国の筆頭株であるタイを抜き、東南アジア随一の観光大国になろうとしています。最近のダナンの人気上昇などはみなさんの目にもとまっているのでは。

しかし、ベトナム観光業の課題はまだまだ多く、観光施設やインフラの整備・言語対応(英語・中国語等)サービス業の質の改善や、移動手段の充実(高速鉄道)など課題は山積されており、これらをクリアにし観光リピーターをより獲得する事がベトナム観光業のさらなる発展に必要不可欠です。

⑥IT産業

ベトナムにとってこのIT産業こそが成長のキーであり重要なファクターです。ベトナム政府はIT産業の外国資本誘致とIT開発を重要視しており、IT産業は優先的に規制緩和され、欧州・アメリカ・韓国・日本等の多国籍IT企業にとっては世界で最も魅力的な投資先の一つとなっています。

その地盤には、若年層からのIT技術力の高さに加え、低賃金であること、国が積極的にIT産業を誘致している事などから、今後ますますベトナムIT産業の発展は加速するものと思われます。

IOTなどの活用で、ベトナムの製造・小売り・観光・農業などの主要産業の生産性がさらに高まる事も期待されますね。

 


まとめ


今記事で触れていないベトナム小売業については、別記事で深く掘り下げたいと考えています。記事UPされればご一読のほどお願いします。

ベトナムは日本とも文化的類似性が高く、相性が良いです。日本・ベトナム双方のますますの発展のために、さらに両国の関係が親密になると良いですね。微力ながら当サイトも両国の橋渡し的存在となれるべく、情報を発信していきたいと思います。

 

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