ベトナム赴任前の注意点と準備 社会保険・医療・海外駐在員保険・予防接種・ビザ関係

ベトナム赴任前の注意点と準備 社会保険・医療・海外駐在員保険・予防接種・ビザ関係

 

ビジネスでの人的資源の往来も増加している日本とベトナム。

2017年10月1日においてのデータで、在ベトナム邦人は17,266人にのぼり、年次で7%〜10%ずつその人数を増やしてきています。

今後も7%前後の在ベトナム邦人数の増加ペースが見込まれ、インドネシアやマレーシア・台湾などの在留邦人数に接近し、追い越す事が見込まれます。

 

しかし、海外への赴任というのは様々な留意点がやはり存在し、税務関連や駐在員及び帯同家族の健康や医療・通学・日常生活などで赴任前に駐在員の不安を少しでも払拭する事も重要となります。

そこでベトナムへ赴任する方及び企業向けに、赴任前の注意点や準備しておくべき事項、知っておくべき保険関連やビザ関連情報などをまとめました。

 

 

社会保険関連


社会保険に関しては出向元企業と赴任者との雇用契約がどのような形態となるのかによって決まります。

出向元との雇用関係が海外赴任後も継続する場合、すなわち出向元企業に在籍したまま赴任する”在籍出向”となる場合は赴任者の健康保険・厚生年金保険・雇用保険等の被保険者資格は継続することができます。

これは様々なケースが考えられるのですが、例えば給与の一部が出向元企業から残りの給与は赴任先の現地法人から支払われる場合でも、被保険者資格を継続する事は可能となりますが、

当然支払う厚生年金保険料も少なくなる事が想定されるので、将来の受給年金額も出向元から全額給与を受けていた場合と比較すると少なくなる可能性があります。

 

逆に、赴任先現地法人のみとの雇用関係に切り替わるケースでは被保険者資格の継続は不可となり、赴任者は任意継続被保険者手続き(各協会けんぽで手続き)を行い最長2年間の被保険者資格を継続するか、国民健康保険に切り替えが必要となります。

また厚生年金保険も継続不可となり、国民年金への任意切り替え、雇用保険は原則継続不可となります。

さらに海外赴任時に現地法人との雇用契約となった場合は労災保険も適用されない事に注意が必要です。(出向元との雇用関係継続なら海外派遣者特別加入制度を利用する事になる)

 

2018年12月より労働許可証(ワークパーミット)を保有し、ベトナムにおいて1年以上の雇用契約を締結している外国人労働者のベトナム社会保険加入が義務化されています。(保険料の支払いは雇用者である企業側ですが、2022年よりは労働者側にも保険料負担が発生します。)

詳細はこちら:ジェトロ ビジネス短信 ベトナム

 

2018年12月より支払い義務が生じるのは疾病・妊娠出産、労災・職業病に関する保険料で、年金関連の保険加入義務化は2022年1月からとやや猥雑となっています。

 

しかし、今回の政令に社内異動者、すなわち在籍出向者は対象外となっているので、日本の社会保険との重複は在籍出向者は発生しませんが、

ベトナム赴任者の方でベトナム現地法人への転籍後、日本の社会保険を任意継続被保険者として継続している方の中には、

ベトナム社会保険と日本の社会保険の重複加入状態となってしまう可能性があるケースも考えられるので、労働契約を締結している現地法人に確認し、

ベトナム社会保険に加入となっている場合は日本での社会保険任意継続を解消し、日本の社会保険の資格喪失手続きを行っておいた方が良いでしょう。

おそらくそういったケースではベトナム側で年金関連の保険には加入していない状態となる事が想定されるので、国民年金への加入切り替えを行っておいた方が良いかと思われます。(個人年金加入者は含まない)

 

この政令には種々の問題点が起こりそうで、在籍出向のベトナム赴任者に対して、例えば日本側法人からとベトナム法人からの両方から給与の支払いがある場合、

企業内移動であっても事実上の雇用契約がベトナム現地法人となされていると判断されるケースや、

雇用契約が6ヶ月ごととなっているが、駐在が長期(2年以上)に渡っている駐在員の保険加入義務の有無の判断、(加入逃れのために1年契約や2年契約であった雇用契約を6ヶ月契約とする法人が現れるケースも考え得る)

また、2022年1月よりのベトナム社会保険全面加入となった際の、社会保険労務関連の事務作業の猥雑化も考えられます。(現状でさえベトナム雇用・労働関係の諸手続きは猥雑)

 

ベトナムの保険料控除所得額などの基準額も頻繁に改変されるので、つど現地社会保険労務の専門家やコンサルティング会社に確認し、支払い義務が発生しているならきっちりと保険料を納付し、

かつ正確に保険料を算定して余分な労務コストを発生させないようにする事も重要ですね。

 

 

医療機関受診の注意点


海外に社員を赴任させるにあたって、最近では海外旅行保険の中の海外駐在員保険と日本の健康保険を併用させるケースが増えてきています。

まず海外駐在員保険の概要ですが、基本は海外旅行保険と内容は同様で、海外での医療保障や死亡保障・携行品保障や賠償責任保障が中心となっています。

海外で何らかの健康上の問題で、医療機関を受診した際に、想定外の高額な医療費を請求されるケースもあり(数百万円の請求もある)そういったケースでも、保険会社と提携している医療機関であれば現金での支払いが発生しません。

また、海外旅行保険にはない保障として、家族総合賠償責任と生活用動産特約があります。

 

家族総合賠償責任とは、日常生活において発生した賠償事故に見舞われた場合に(加害者となってしまった場合)被害者への賠償金や治療費・訴訟費用やそれに付帯する費用を包括的に補償する保険で、特に家族が帯同している駐在員の方は加入必須です。

お子さんが誤ってスーパーやショッピングモールで商品を破損させてしまったケースや、奥様が自動車やバイク運転時に万が一、人身事故や物損事故を起こしてしまったというケースでも、補償の範囲内となるので金銭面でのリスクをかなり低減させることができます。

また、生活用動産特約は被保険者の携行品(財布やスマートフォン)や家財などが万が一盗難や火災などで喪失・破損してしまった場合に補償の対象となる特約です。

海外駐在員保険は大手保険各社が保険サービスを提供しているのでネット等でも比較検討できるので、駐在員としてベトナムに赴任する際には必ず海外駐在員保険に加入してください。

 

さらに、日本の健康保険を使用するケースとしては元々の持病の継続治療の場合と歯科治療の場合は一般的に海外駐在員保険は適用されないので(持病の治療に関してはケースによるので要確認)、

そういった場合に日本の健康保険を利用すると良いでしょう。(一旦全額立て替え後に日本の保険機関に請求)

 

 

海外渡航者向け予防接種


ベトナムにおいてもマラリアやデング熱・狂犬病などへの感染リスクがあり、赴任事前準備の一環として予防接種を受ける事をお勧めします。

東南アジアにおいてベトナムだけが突出して上記の感染症等に感染するリスクが高い訳ではありませんが、感染リスクを低減させる意味でも予防接種を受けておいた方がより安心です。

厚生労働省検疫所のFORTHという感染症情報を提供しているサイトが医療機関の検索等便利なので利用してみてください。

公式サイト:厚生労働省検疫所 FORTH

 

 

ビザと労働許可証(ワークパーミット)


ベトナムへ赴任し、駐在員として働くには就労ビザと労働許可証(ワークパーミット)の2種類の公的証書が必要となります。

原則として就労ビザは15日以上ベトナムに滞在して就労する場合に必要となり、労働許可証(ワークパーミット)は3ヶ月以上ベトナムで就労する場合に必要となります。

ベトナムのビザの種類は20種類にカテゴライズされていて、一般的に外資の企業にて就労する人はLDというカテゴリとなり、最長で2年間のビザとなります。

 

労働許可証(ワークパーミット)は『管理職/CEO』『専門家』『技術者』の3つのカテゴリで申請可能で、必要書類等は法改正などで頻繁に変化する傾向にあるので、専門会社等に依頼し、確認するのがベターでしょう。

 

 

まとめ


海外に赴任するという事は日本で働く以上に様々なリスクを想定し、リスクヘッジを怠ってはいけません。

また今記事でご紹介した項目以外にも、税務関連や危機管理で思わぬ落とし穴もあります。また実際に現地ベトナムに赴任中にも様々なリスク要因があるので、そのあたりも別記事で纏めていきますのでご参考に。

 

 

 

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